ストラとキャスター

今のところ音楽を掘り進む方針

【バンド】誰もがメジャーデビューして武道館に出たがっているわけじゃない

記録的な暑さとか言ってたのに、もう暑さを忘れて寒がってたりしてます。こんばんは、須藤ストラです。

今日はバンドをやる理由についての話です。

未だに変わらないバンドへの認識

バンドをやって1年経ち、「最近、バンドはじめたんですよー」と雑談がてらに話すことが増えたのですが、その時に聞いた言葉で面白かった言葉があります。

「目標はメジャーデビューか武道館なの?」って言葉です。

言い換えれば、これから野球始めるのに「野球するなら目標は12球団に入って、日本シリーズで勝つことなの?」と言うような滑稽さを感じたのですが、「いや待てよ」と。

そもそも、楽器を演奏したことがある人とない人でこの感覚に結構大きなズレがあるのではないか、と考えました。

 

平成28年社会生活基本調査より、趣味の一環として楽器演奏を行う人はおよそ10人に1人というデータが出ています。

そこに当てはまらない10人に9人がそのような考えである、と言うと大げさであると思いますが、楽器を触ったことのない人からすれば、「バンドをする=メジャーデビューをして目標は日本武道館である」というイメージがあるのも、あながち間違いではなさそうな気がします。

f:id:storaticker:20180821233542j:plain

ビートルズの来日公演を期にロックバンドの聖地と呼ばれるようになった日本武道館

音楽は昔ほど売れてないし武道館は既に聖地ではない

なのですが、正直どちらもその幻想みたいなのはかなり前に打ち砕かれています。

まず、音楽について、メジャーデビューをした所でその給料自体は高くないしバイトで食いつないでいる人もたくさんいる、といった話はよく挙がりますし、CDの売上による印税という所でも、90年代までの1枚のCDが100万枚以上も売れることはほぼないため、「1曲当てて印税生活」みたいな夢も既に叶わない、と言えると思います。そもそも、趣味や生活様式の多様化で「誰もが知っているヒット曲」というものが1年に1回出れば御の字で、音楽自体が金になりにくい状態です。 

直近話題になった曲と言えば、2016年に「恋ダンス」ブームを巻き起こした星野源「恋」、今年(2018年)であればどこかダサくも感じるダンスと歌詞をパフォーマンスの高さでダサかっこよさを生み出しジワジワと広まったDA PUMP「USA」くらいでしょうか。しかし、話題になったものでも、CDやダウンロードといった音楽自体の売上ではかつての規模からはどうしても落ち込んている状況です。

武道館についても、「ビートルズの来日公演が開催された場所」から「ロックバンドの聖地」とするイメージがあり、確かにライブをする上で特別な場所という箔はあり、「何かの区切りとして日本武道館でライブをする」という特別感はあります。

しかし、「誰もが知っている人たちがライブをする場所」では既になく、そこに出たからと言って安泰ということは一切ないです。

収容人数自体で言えば14,471人と、数万人入るホールよりは小さいかな、という規模です。

何故今になってバンドをやるのか?

こう言ってきたことから分かるように、私は「メジャーデビューするためにも、武道館でライブをするためにもバンドをやっているわけではない」のですが、では何故今になってバンドを始めたのか。色々ありますが、これは「大きな不安がなく、憧れを追うことができるようになったから」です。

何か始めるにあたって不安と言うのはまとわりつきますが、私にとってこの不安の大体はお金が占めます。

バンドがライブをする場合、参加するイベントはほぼバンド毎にノルマを課されています。全く人が来なければ負担は全て自分達に来ますし、「ノルマを払うためにバイトをする」ともなりかねません。それが就職し仕事を続けることで定期的な収入が保証されるため、お金の不安は大きく解消されますし、最悪の場合でも生活に支障をきたすことはほぼなくなりました。

 

そこで初めて「憧れを追う」ことが出来るようになったのです。何かを始めるにあたって憧れというのも同時に持っているもので、「あの人のように、あのバンドのような振る舞いをしたい!」というのがきっかけになっています。

ギターを始めて10年、曲を作り始めて7年、バンドを始めて1年、憧れている人たちに追いつくような、もしくはあるどこかでは追い越せたというような実感を得るために、続けていくんだろうなー、と思います。

この憧れの感覚は、映画『桐島、部活やめるってよ』に大きく影響を受けて、と言うよりはほぼそのまま言葉を借りている形です。何かのタイミングで観たのですが、文化系の活動をしている人たちへの指針になるメッセージもあるし、終盤の盛り上がりから映画を能動的に観るきっかけになった一本でもあるので、是非観てもらいたい作品です。

 

ではでは。